新車の納車待ち、つなぎの車は買う?借りる? 判断は「待つ期間」で決まります

😨「信号待ちで後ろから追突された…車が全損になってしまった」
😥「保険金は出るけれど、欲しかった新車は納車まで一年待ち」
🌀「仕事で毎日車が要るのに、そんなに待てない…どうしよう」
まず、お怪我はありませんでしたか。
車のことより先に、そこがいちばん心配です。
そのうえで、すぐに考えなければならないのが「次の車まで、どうつなぐか」ですよね。
借りても買っても、余分なお金がかかるのは分かっている。
でも、どちらが小さく済むのかが見えないのが、いちばん悩ましいところだと思います。
今回は、まさにこの状況でご相談くださった方の記録をお借りしました。
お仕事で毎日車を使う方で、本命の新車は一年待ちという状況でした。
結論からいうと、この判断はひとつの引き算で決められます。
「つなぎの車」を買うということは、車の取引を1回、余分にはさむということです。
そこには、登録の諸費用と、お店の利益と、売るときに下がるぶんがかかります。
このうち、登録の諸費用とお店の利益は、待つ期間が延びても増えません。
売るときに下がるぶんは少しずつ増えますが、安く買った車なら、その金額は小さく済みます。
いっぽうで、レンタカー代や短期リース代は1日ごとに増えていきます。
ですから、待つ期間が長いほど、買ってしまうほうが軽くなります。
納車まで一年なら、まず「安く買う」を軸に考えて大丈夫です。
小さな車でよく、走る距離も少ないなら、中長期向けの格安レンタカーも候補に入ります。
そして、つなぎのつもりで買った車を、そのまま乗り続ける道も残っていますよ。
きっかけは、読者の方からのご相談
まずは、いただいたご相談です。
年明けすぐ、信号待ちで後ろから追突されました。
全損のようで、廃車にするか修理するかで迷っています。
修理すると相手の保険で直せますが、自分には1円も入りません。
廃車にすると自分の車両保険が使えて、等級は変わらず、修理代ぶんを新車の購入に充てられるそうです。
もともと乗り換えを検討していたので、ある意味ラッキーで、新車を買いたいと思っています。
ただ、いま新車は一年ほど待たないといけません。
営業の仕事なので、車はずっと必要です。
中古車を買うか、新車が来るまでリースでつなぐかで迷っています。
ただ、リースは1年だとなかなか高いです。
5年後くらいにまた売る予定です。
じつはこの方からは、この少し前にも一度ご相談をいただいていました。
「5年後に売る前提で、営業に使う車をどう選べばいいか」というご質問です👇
事故、本当に大変でしたね。
お怪我など、お体は大丈夫でしたでしょうか。
車両保険に入っていらしたことは、不幸中の幸いでした。
受け取れる保険金を元手に、どう動くのがいちばん軽いか、一緒に考えていきましょう。
「つなぎの車」を買うのは、取引を1回増やすことです
この判断でいちばん大事なのは、ここだと思っています。
私はふだん、1台を長く乗ることをおすすめしています。
車でお金がかかるのは、車両の代金だけではありません。
買うときと売るときにかかる費用が、毎回のしかかってくるからです。
1台を長く乗れば、その回数が減ります。
「つなぎの車」は、その回数をあえて1回増やす選択なんですね。
ですから、まずその1回にいくらかかるのかを見てから決めます。
取引1回ぶんに、かかるもの
- 買うときの諸費用(登録や車庫証明などの手続き、納車の費用)
- お店の利益(中古車の値段には、当然これが入っています)
- 売るときに下がるぶん(数ヶ月なら小さいですが、ゼロではありません)
この3つが、車を1回やり取りするたびにかかります。
金額は車種と年式で変わるので、ここではいくら、とは言いません。
このうち、諸費用とお店の利益は、3ヶ月乗っても一年乗っても1回ぶんです。
売るときに下がるぶんだけは、乗る期間と距離で少しずつ増えます。
それでも、安く買った車なら、下がる金額そのものが小さく済みます。
1〜2年だけ乗る車について、別のご相談で、私はこうお伝えしました。
1〜2年で乗り替えるなら、圧倒的に安い車の方がコスパの面では勝率が高くなります。
50万円で購入した車であれば、1年で半額になったとしても25万円です。
高い車ほど、一年で下がる金額そのものが大きくなる、ということですね。
いっぽう、待つ期間に払うものは、毎日増えます
レンタカーも、短期のリースも、借りている日数ぶんだけ払います。
1ヶ月なら小さくても、一年になればそのまま12倍です。
ご相談者さまも、「リースは1年だとなかなか高い」と書いておられました。
じつは、この一行が答えを半分出しています。
借りるといっても、大手のレンタカーだけではありません。
古い中古車を使った中長期向けの格安レンタカーなら、ぐっと安く借りられます。
たとえばあるお店では、1ヶ月(30日)で、小さな軽自動車が税込27,280円、プリウスくらいの車が税込67,980円でした。
12ヶ月借りれば、それぞれ約33万円と約82万円です。
このお店では、1ヶ月に走れる距離は3,000kmまでで、超えたぶんは1kmごとに11円かかります。
※ 出典=格安レンタカーのお店の公式サイト「クラス・料金」(レギュラーシーズンの料金と、走行距離の決まり/2026年10月に確認)、料金や条件はお店と車のクラスで違います。
料金に基本的な保険や整備が入っていて、売ったり買ったりの手間もかからないのは、借りるほうの良さです。
さきほどの1〜2年だけ乗る車のご相談では、月3万円ほど、1年で36万円ほどで借りられるなら、手間を考えて借りたほうが楽、という考え方もあるとお伝えしました。
格安レンタカーのお店の選び方と、借りる前に確かめたいことは、こちらにまとめています👇
だから「一年待ち」なら、買うほうが軽くなります
片方は期間が延びても増えない費用。
もう片方は期間に比例して増える費用。
この2つを並べていくと、どこかで大小が入れ替わります。
数ヶ月なら借りるほうが軽いことも多いですが、一年となると、買うほうに傾きます。
とくに、お客様を乗せる大きめの車で、毎日たくさん走る使い方なら、なおさらです。
しかも買った車は自分のものなので、本命が来たタイミングで好きに手放せます。
借りている場合は、契約の期間に自分の予定を合わせることになりますよね。
反対に、軽自動車のような小さな車で足りて、あまり走らないなら、一年でも格安レンタカーのほうが楽なことがあります。
ここは、期間で決まる話なんです。
「何ヶ月待つのか」を先に確かめてから、借りるか買うかを考えるのがおすすめです。
納期は車種と時期で大きく変わりますから、まずはお店に聞いてみるのがいちばん早いですよ。
納期が分かったら、借りる場合と買う場合を、同じ期間で並べてみると、答えが見えてきます。
- 借りる:1ヶ月の料金×待つ月数(走る距離の決まりも見ておく)
- 買う:買うときの諸費用+売るときに下がるぶん+持っているあいだの税金と保険
数ヶ月だけなら、借りるほうが向いている理由は、こちらでお話ししています👇
修理とリースが、この場合に向かない理由
念のため、ほかの2つにも触れておきますね。
修理して乗り続ける
今回のように相手の保険で直す場合、自分の手元にはお金が残りません。
そして直した車には修理をした履歴が残ります。
あとで手放すとき、その履歴は値段に響いてきます。
もともと乗り換えを考えていた方なら、保険金というお金にかえられるうちに、かえておくほうが動きやすいです。
ただし、ここは本当にケースバイケースです。
相手の保険で全額直る場合や、その車に愛着がある場合は、答えが変わります。
修理と乗り換えのどちらを選ぶかは、こちらで詳しくお話ししています👇
そもそも「全損にしてもらえない」という、手前でのつまずきもあります👇
短期のリースでつなぐ
リースが割高になるのは、そもそも設計が違うからです。
リースの料金には、車両の代金だけでなく税金や自賠責保険、手数料、プランによってはメンテナンスの費用まで入っています。
それを3年や5年で均等に払う形になっているので、経費として計上しやすく、法人向けの仕組みなんですね。
これを数ヶ月や1年に縮めると、同じ中身が短い期間にぎゅっと圧縮されて請求されます。
つまり「高いプランを選んでしまった」のではなく、短く使うと合わない仕組みだということです。
リースと中古車をじっくり比べたい方は、こちらもどうぞ👇
「つなぎの車」の進め方
では、具体的な順番を見ていきましょう。
Step1:保険金を受け取り、修理はしない
まずは保険会社との手続きを済ませ、全損としての保険金を受け取ることを確定させます。
ここが決まらないと、次の車の予算も決まりませんからね。
Step2:相手の保険で「代車」を相談する
これは交渉しだいですが、相手方の保険会社に、つなぎの車に乗れるようになるまでの代車を相談してみてはいかがでしょうか。
少なくとも、修理するか乗り替えるかを考えている期間は、常識の範囲でレンタカーを借りられることが多いです。
今回のように信号待ちでの追突なら、相手の過失が大きいので、車探しの期間も移動手段を確保できる可能性があります。
じっさい、相手の過失による修理で2週間ほどレンタカーを使い、全額を相手の保険に請求したという例もあります。
ただ、一年先の本命の納車までとなると、さすがに難しいと思っておくほうが安心です。
ここは遠慮せず、早いうちに聞いておくのがいいと思います。
なお、同じ追突の被害でも、相手の方の保険で修理代が全額出る場合は、判断のしかたが少し変わります。
そのケースとレンタカーを返すタイミングは、さきほどの記事で詳しくお話ししています。
Step3:「つなぎの車」を選ぶ
つなぎに向くのは、リセール(売るときの価値)が強い車ではありません。
向いているのは、こういう車です。
- 車両価格が高くない(そもそも失うものが小さい)
- ただし、程度はそこそこ良い(安すぎる車は、つなぎのあいだの故障で、かえって高くつくことがあります)
- 車検が残っている(つなぎのあいだに車検が来ません)
- 中古の台数が多くて、すぐ見つかる(待っている時間がない)
- 燃費がいい(距離を乗る仕事なら、ここが毎月効きます)
- 人も荷物も載る(お仕事の使い方に合うか)
- 嫌味がない(お客様を乗せるなら、ここも判断材料です)
リセールが強い車は、買うときも高いんです。
数ヶ月から1年で手放すなら、安く買って、そこそこで売るほうが、往復の傷は浅くなります。
同じように新車の納車を待っていた別の方が、リセールの良い車をつなぎに考えておられたとき、私はこうお伝えしました。
リセールは将来必ず約束されたものではありません。
「高く売れたらラッキー」くらいで、当てにして買うのは、少し慎重になったほうが良いかなと思います。
今回のケースで例に挙がったのは、トヨタのプリウスαのようなワゴンでした。
車両価格が手ごろで、人も荷物も載り、燃費もよく、営業の足として嫌味がありません。
ただし正直に言うと、この車はリセールは弱いほうです。
見栄えという意味でも、強い車ではありません。
こういう不慮のパターンは、ある程度、妥協も必要になってしまいます。
それでも、安く手に入って、すぐ見つかって、仕事に使えるという点で、つなぎには向いているんですね。
プリウスαが大きすぎると感じるなら、もう少し小さなアクアなども候補になります。
なお、プリウスαは2021年3月に販売を終えた車なので、いま選ぶなら中古車だけです。
※ 出典=トヨタ自動車のクルマ情報サイト「GAZOO」のカタログ(プリウスα=2011年5月〜2021年3月/2026年10月に確認)。
リセールという物差しそのものをどう扱うかは、こちらに書きました👇
急いでいるときの中古車の探し方は、こちらが詳しいです👇
Step4:本命の新車が来たら、つなぎの車を売る
本命が納車されるタイミングで、つなぎの車を手放します。
このとき出る差額(買った値段と売れた値段の差)が、さきほどの「取引1回ぶん」です。
そこに持っているあいだの税金や保険を足しても、待っていた期間のレンタカー代やリース代より小さければ、この作戦は成功です。
ちなみに、つなぎの期間が長いほど、1ヶ月あたりの負担は軽くなります。
同じ1回ぶんの費用を、長い期間で割ることになるからですね。
売却の進め方そのものは、こちらにまとめています👇
つなぎのつもりが、本命になる道もあります
ここまで「買って、本命が来たら売る」という前提で書いてきました。
でも、じつはもう一つの道があります。
そのまま乗り続けて、お金を貯めるという道です。
当時のお答えには、こういう考え方が入っていました。
乗りたい車があるなら、若いうちに乗るのもいいと思います。
でも、5年と言わず、次の車検までの2年間を貯める期間にすることもできます。
焦って買える中古車よりも、気長に時期を待って、本当に欲しい車を待つという選び方もありますよ。
つなぎの車は、安く買っているぶん、持っていても身軽です。
その間に貯まったお金で、次はもっと自由に選べます。
本命の新車をいったん見送る、という判断だってできるわけですね。
ご相談者さまは、この部分を、考えていなかった発想だったと返してくださいました。
さきほどの、納車を待っていた別の方にも、気に入った車なら、いっそ「つなぎ」ではなく本命にして長く乗るという考え方をお伝えしたことがあります。
もちろん、予定どおり本命の新車に乗り換えるのも、まったく問題ありません。
楽しみに待っている気持ちも素敵ですから、無理にとは言いません。
自動車保険の見直しもお忘れなく
車が変わるタイミングは、自動車保険を見直す機会でもあります。
車が変われば、保険料も変わるからです。
とくに今回のようにつなぎの車をはさむ場合は、短い期間で2回も車が変わります。
そのたびに、保険の「車両入替」という手続きが要ります。
新しい車に乗る前に済ませておくのが基本です。
納車から30日以内に手続きをすれば、そのあいだも前の車の補償の中身で守ってくれる会社もありますが、過ぎると相手への賠償だけになることもあります。
※ 出典=ソニー損保 公式サイト「よくある質問」(車を買い替えたときの手続きと補償/2026年10月に確認)、日数や扱いは保険会社や契約によって違います。
担当の方に先に相談して、2回ぶんの流れを決めておくと慌てずに済みますよ。
ネット保険の一括見積もりのやり方は、こちらの記事で解説しています👇
まとめ:判断は、期間で決まります
事故のあとの乗り換えは、考えることが多くて大変ですよね。
でも、ひとつずつ整理していけば、ご自身に合った道はきっと見つかります。
- 「つなぎの車」は、車の取引を1回、余分にはさむということ
- 諸費用とお店の利益は、待つ期間が延びても増えません
- レンタカーや短期リースは、日数ぶんだけ増えていきます
- だから、待つ期間が長いほど「買う」が軽くなります
- 小さな車で、走る距離も少ないなら、中長期向けの格安レンタカーも候補です
- つなぎに向くのは、リセールが強い車ではなく、安く買えてすぐ見つかる車です
- 相手の保険で代車を出してもらえないか、早めに相談を
- そのまま乗り続けて貯める、という道も残っています
大変な状況のなかでの判断になりますが、焦って決めなくていい部分もあります。
まずは納期を確かめて、借りる場合と買う場合を、同じ期間で並べてみてはいかがでしょうか。
ご相談者さまの、その後
この方は、当時のお答えに、こうお返事をくださいました。
やはり、中古車の方が賢明そうですね、、
プリウスにプリウスαという種類があるのですね!知らなかったです!!
なるほど!確かに、初期コストが安くて、営業車として使いやすいものを現段階では選んでおいて、蓄財するというのは…
プリウスαも含めて、中古車で一度探してみることにします!
この方とは、この少し前にも「営業に使う車をどう選ぶか」でやり取りをしていました。
そのときの物差しは「お客様に嫌味がないかどうか」でした。
今回のお返事でも、「営業車として使いやすいもの」と書いておられました。
お客様を乗せる仕事の車として選ぶ、という見方は、事故のあとも同じだったんですね。
そのやり取りは、この記事のはじめにご紹介した記事にまとめています。
事故のあとの車の乗り換えは、決めることが多くて疲れますよね。
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